スケルトンオフィスとは?契約するメリットや注意点も解説

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スケルトンオフィスとは?契約するメリットや注意点も解説

オフィスを借りるときには、居抜きかスケルトン物件かで悩むでしょう。
どちらが良いかはそれぞれの状況によって異なりますが、より良い判断ができるよう、建物の特徴を事前に把握しておくことが重要です。
今回は、オフィスの賃貸借契約を検討している方に向けて、スケルトン物件とは何か、メリット・デメリットや注意点を解説します。

スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは、建物の骨組みや躯体だけの状態になっている物件です。
柱や壁・梁など、建物を支える部分のみを残しているため、内装は施されていません。
コンクリート部分もそのままになっており、配管や配線は剥き出しです。
このようなスケルトン物件は、居抜き物件とどのような点が違うのか、以下で特徴を見ていきましょう。

スケルトン物件と居抜き物件の違いとは

居抜き物件とは、以前のテナントが使用していた設備・内装を残した物件を指します。
スケルトン物件と居抜き物件の違いは、造作譲渡の有無にあるでしょう。
居抜き物件なら、前借主や所有者の施工した造作物が残されているため、譲渡してもらえるだけ初期費用を抑えられます。
ただし、賃貸借契約の条件によっては、退去時に原状回復が必要です。
デザインの自由度も低くなるので、スケルトン物件を選んだほうが、希望のオフィス空間をつくれる可能性が高まります。

オフィスにスケルトン物件を採用すると良い企業とは

オフィス選びでは、業務の内容や企業の戦略を考慮するのがポイントです。
ブランディング効果や業務効率の向上を図っている企業は、スケルトン物件を採用すると良いでしょう。
スケルトン物件では、オフィスのデザイン性だけでなく、防音性や耐震性・気密性などの建物性能も高められます。
従業員が働きやすい環境を整備できるため、企業全体の成果につながりやすくなるはずです。
オフィスデザインにこだわる企業や、長期的に事業を展開したい企業なども、居抜き物件よりスケルトン物件を検討したほうが良いでしょう。
オフィスを選ぶときには、従業員が快適な空間とは何かを考えながら、物件を探していく必要があります。

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スケルトンオフィスのメリット・デメリット

スケルトンオフィスのメリット・デメリット

物件選びで失敗しないよう、スケルトン物件の特徴はあらかじめ把握しておくことが大切です。
以下では、スケルトン物件のメリット・デメリットを2つずつご紹介します。
希望条件と照らし合わせながら、より良い物件を探していきましょう。

メリット①自由なデザイン・レイアウトが可能

スケルトン物件を契約する最大のメリットは、オフィスの内装やレイアウトを自由に決められることです。
たとえば、天井をあえて剥き出しの状態にすれば、開放感のある空間を実現できます。
また、業務内容に応じて、ミーティングルームや個室ブースの設置が可能です。
このように自由なデザインやレイアウトをおこなうと、従業員の満足度が高まり、モチベーションの向上にもつながります。

メリット②設備の導入・管理がしやすい

スケルトン物件は、オフィスに欠かせない設備の導入も、一から考えられるのがメリットです。
通信回線やパーテーション・空調設備など、必要な場所に必要な分だけ自由に配置できます。
作業効率の向上につながる環境を整備できるため、従業員は落ち着いて仕事が進められるでしょう。
オフィスづくりでは、経営陣の意向だけでなく、従業員のニーズも含めて設計していくことが大切です。

デメリット①内装工事に高額な費用がかかる

デザインの自由度が高いと、それだけ内装工事に費用がかかります。
安い物件を購入しても、結果的に費用が高くなるおそれがあるので注意しましょう。
オフィスの内装を考えるときには、予算とのバランスも考慮しなければなりません。
無理のない計画を立てるためにも、条件の優先順位はあらかじめ決めておくのがポイントです。
譲れないポイントと妥協できるポイントを把握しておけば、何を優先してオフィスづくりを進めるのかイメージが付きやすくなります。
なお、スケルトンオフィスの内装工事費用は、一般的に坪単価5〜15万円程度が目安とされています。
デザイン性を重視する場合や特殊な設備を導入する場合には、坪30〜80万円程度に達するケースもあるため、事前に見積もりを確認することが重要です。

デメリット②入居までに時間を要する

スケルトンオフィスは、内装工事が終了するまでに1〜3か月程度必要です。
工事が長引く可能性もあり、長引いた分、入居できる日が遅れてしまいます。
業務に支障をきたさないように、計画的なオフィス移転準備をしなければなりません。
いつまでに入居を完了している必要があるのか、事業計画とともに考えていきましょう。
さらに、工事の内容によってはオフィスの使い勝手が悪くなる可能性もあるので、さまざまなリスクを考慮しながら設計・計画をしていくのがポイントです。
入居タイミングやデザイン性・機能性など、あらゆる側面から使い勝手の良いオフィス空間を目指しましょう。

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スケルトンオフィスを探すときの注意点

スケルトンオフィスを探すときの注意点とは

スケルトンオフィスを探すときの注意点は、以下の3つです。
より良い物件をスムーズに見つけられるよう、ポイントを事前に押さえておきましょう。

注意点①コンセプトを設計しておく

スケルトンオフィスを探すときには、コンセプトを決めておくことが大切です。
オフィスにおけるコンセプトとは、内装のテイストや方針を示します。
あらかじめオフィスのイメージが付いていれば、内装決めや設備の導入に時間がかかりません。
オフィスのコンセプトを決めるときには、コーポレートアイデンティティや、従業員の要望・オフィスデザインのトレンドなどを押さえておく必要があります。
これらを反映させれば、企業に合った快適なオフィス空間が実現できるでしょう。
事前にデザイン事例などを見ておくと、内装を決めるときの参考になります。

注意点②原状回復費用を確認しておく

オフィス選びで失敗しないためには、原状回復費用の確認が欠かせません。
スケルトンオフィスを借りたケースでは、退去時に入居時と同様のスケルトンの状態に戻す必要があります。
原状回復工事にかかる費用は、坪単価で約8〜10万円が相場です。
広いオフィスを借りると、原状回復費用が高額になりやすいので注意しましょう。
原状回復義務の範囲や条件は物件によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。
オフィスを借りるときは、トータル的なコストで判断することが注意点です。
実際の原状回復費用は、オフィスの場合坪3〜7万円程度が一般的で、物件や仕様によっては約2〜4万円/坪と安いケースもあります。
一方で、条件次第では約8万円/坪を超えることもあるため、契約前に必ず範囲を確認しておきましょう。

注意点③将来を見据えて計画する

オフィス選びでは、将来を見据えた計画を立てなければなりません。
とくに見た目だけで物件を選んでしまうと、将来的に家賃の支払いが困難になる可能性があります。
デザイン性の高い物件や立地条件の良い物件は家賃が高い傾向にあるため、長期で支払っていけるかを慎重に判断しなければなりません。
オフィスの賃貸借契約を検討しているなら、将来的なオフィスの拡張や縮小も見据えて、物件選びをおこなうのが注意点です。
そのためにも、現状把握と将来の予測は入念におこなっておきましょう。
従業員の数や業績などが現在のオフィスと合っているか、さまざまな視点から判断する必要があります。
的外れな工事をおこなわないよう、従業員のニーズを定期的に調査しておくことも重要です。
無駄な出費を避けるため、オフィスの現状はしっかりと把握しておきましょう。

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まとめ

スケルトン物件は、建物の骨組みや躯体のみの状態となっている物件です。
居抜き物件とは違い、内装を一から自由につくれますが、工事に高額な費用がかかるでしょう。
注意点として、物件探しではコンセプトを決めておくほか、原状回復費用もあらかじめ把握しておく必要があります。

阪田不動産株式会社

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