パン屋開業のテナント選びについて!資金を抑えるポイントも解説

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パン屋開業のテナント選びについて!資金を抑えるポイントも解説

パン屋の開業を検討する際、必要な資金の内訳を詳細に理解することは非常に重要なステップとなります。
工事費、店舗物件取得費、備品費の3つは全体の費用の大きな割合を占め、詳細な計画と資金管理が求められます。
この記事では、資金を効果的に抑える方法やテナント物件選びのポイントを紹介するので、参考になさってください。

パン屋開業に必要な資金

パン屋開業に必要な資金

パン屋の開業を検討する際、必要な資金の内訳を理解することは非常に重要です。
なかでも、工事費、店舗物件取得費、備品費の3つは大きな割合を占めます。
これらの費用について詳しく見ていきましょう。

工事費

パン屋の開業において、工事費は大きな負担となります。
内装工事には、壁紙の張替えや照明の設置、什器のデザインなどが含まれます。
さらに、電気・水道・ガス・空調などの設備工事も必要で、パンを焼くオーブンは高い電力を消費するため、適切な電気工事が必要です。
これらの工事費用は、店舗の規模や立地条件、デザインのこだわりによって大きく変動しますが、一般的には400万円から800万円程度が相場とされています。
工事費を抑える方法として、「居抜き物件」の活用があり、前の店舗の内装や設備をそのまま利用することで、初期費用の削減が可能です。
ただし、前店舗の閉店理由や設備の状態を十分に確認することが重要です。
また、スケルトン物件を選ぶ場合は、一から内装を作り上げる必要があるため、費用が高くなる傾向があります。

店舗物件取得費

店舗物件取得費は、パン屋開業における初期費用の中で最も大きな割合を占めることが多いです。
物件取得費は、以下の3つの費用から構成されます。
賃料:店舗を借りるための費用
敷金:物件を借りる際に預けるお金
礼金:物件を借りる際に支払うお金
東京の都市部・駅から徒歩5分圏内となると、20坪の物件で家賃は少なくとも50万円以上必要になります。
家賃の他に敷金や礼金、保証会社への保証料、前家賃などを考えると、少なく見積もっても家賃の10倍程度のお金が初期費用としてかかると考えておきましょう。
物件取得費を抑えるためには、立地条件や物件の状態を慎重に検討することが重要です。
また、仲介手数料や火災保険料などの諸費用も忘れずに計算に入れる必要があります。

備品費

パン屋の開業には、製パンに必要な設備や備品の購入が不可欠です。
主な設備として、オーブン、ミキサー、発酵器(ホイロ)、冷蔵庫、フライヤーなどが挙げられます。
これらの設備は高価であり、全てを新品で揃えると400万円から800万円程度の費用がかかるとされています。
費用を抑える方法として、中古設備の購入やリース契約の活用も考慮するとよいでしょう。
中古設備は新品と比べて初期費用を抑えることができますが、故障やメンテナンスのリスクも考慮する必要があります。
リース契約は、初期費用を抑えることができますが、月々のリース料がランニングコストとして発生するため、長期的な負担を把握しておくことが重要です。

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パン屋の開業資金を抑える方法

見出し②パン屋の開業資金を抑える方法

パン屋の開業を検討する際、初期費用の負担は大きな課題となります。
適切な物件選びや工夫次第で資金を大幅に抑え、「居抜き物件」の活用は費用削減の有効な手段として注目されています。

居抜き物件

居抜き物件とは、前の店舗が使用していた内装や設備がそのまま残されている物件を指します。
以前に飲食店として営業していた場所であれば、厨房設備やカウンター、客席などがそのまま残っていることが多いです。
これにより、新たに内装工事や設備投資を行う必要がなく、初期費用を大幅に削減できます。
居抜き物件を選ぶ際には、前店舗の業種や設備の状態を確認することが重要です。
パン屋として必要なオーブンや発酵器などの設備が適切に配置されているか、またその状態が良好であるかをチェックする必要があります。
さらに、前店舗の評判や閉店理由も調査し、地域でのイメージを把握しておくことが望ましいです。

居抜き物件のメリット

居抜き物件の最大のメリットは、初期費用の削減です。
新たに内装工事を行う場合、店舗の規模やデザインによりますが、数百万円から数千万円の費用がかかることがあります。
しかし、居抜き物件であれば、これらの費用を大幅に抑えることが可能です。
また、工事期間を短縮できる点も大きな利点です。
新規で内装工事を行う場合、数ヶ月の期間が必要となることがありますが、居抜き物件では既存の設備を活用するため、短期間で開業準備を進めることができます。
これにより、早期の営業開始が可能となり、収益化のスピードも速まります。
さらに、前店舗の顧客層や地域での認知度を引き継げるかもしれません。
同じ業種での開業であれば、既存の顧客がそのまま新店舗を利用してくれることも期待できます。
ただし、前店舗の評判や閉店理由を事前に確認し、必要に応じてイメージの刷新を図ることが重要です。

節約が可能

居抜き物件の活用により、初期費用の大幅な節約が可能です。
新規で内装工事を行う場合、内装費用だけで数百万円が必要となることがありますが、居抜き物件ではこれらの費用を削減できます。
また、設備の購入費用も抑えられるため、総合的な初期投資を軽減できます。
さらに、開業までの期間短縮により、家賃や人件費などのランニングコストの節約も可能です。
早期の営業開始は、収益化のスピードを速めるだけでなく、資金繰りの安定にも寄与します。
ただし、設備の状態や前店舗の評判など、事前の調査と確認を怠らないことが成功の鍵となります。
適切な物件選びと事前の調査を行い、効率的な開業を目指しましょう。

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パン屋開業のテナント物件を選ぶ際のポイント

パン屋開業のテナント物件を選ぶ際のポイント

パン屋の開業を成功させるためには、適切なテナント物件の選定が不可欠です。
物件選びの際には、希望条件の整理、立地の特徴、前の店舗の業態など、さまざまな要素を総合的に検討する必要があります。

希望条件の整理

まず、開業にあたって自身の希望条件を明確にすることが重要です。
店舗の広さ、賃料、設備の有無、周辺環境など、具体的な条件をリストアップしましょう。
パンの種類や生産量に合わせて適切な広さを選ぶことが求められます。
一般的には、定番商品に加え、惣菜パンやサンドイッチなども販売する場合、20坪から30坪程度の広さが適当とされています。
また、予算内で収まる賃料の物件を選ぶことも重要です。
賃料は立地や物件の状態によって大きく異なります。
都市部の駅前物件は高額になる傾向がありますが、郊外の住宅街では比較的安価な物件が見つかることがあります。
さらに、物件の状態や設備の有無も考慮し、初期費用や改装費用を見積もることが大切です。

立地の特徴

立地は店舗の集客力に直結するため、慎重に選定する必要があります。
人通りや交通量が多い場所は集客効果が高いとされており、駅前や繁華街、住宅街の主要道路沿いなどがそれに該当します。
ただし、競合店が多いエリアでは競争が激しくなるため、周辺の市場調査を行い、差別化戦略を検討することが求められます。
また、ターゲットとする顧客層に適した場所を選ぶことも重要です。
子育て世代をターゲットにする場合、保育園や幼稚園、公園の近くなど、子育て世帯が多いエリアが適しています。
一方、高齢者をターゲットにする場合は、スーパーやドラッグストア、公共施設の近くが効果的です。
このように、ターゲット層のライフスタイルや行動パターンを把握し、最適な立地を選定することが成功の鍵となります。

前の店舗の業態

テナント物件を選ぶ際、前の店舗の業態や評判を確認することも重要です。
前の店舗が同じ飲食業であれば、設備や内装をそのまま利用できる可能性があり、初期費用を抑えることができます。
しかし、前店舗の評判や閉店理由を調査し、ネガティブなイメージが残っていないか確認することが必要です。
前店舗が経営不振で閉店した場合、そのイメージが新店舗に影響を及ぼす可能性があります。
また、前店舗の業態が異なる場合、内装や設備の改装が必要となることがあります。
以前が衣料品店であった場合、厨房設備が整っていない可能性が高く、追加の工事費用が発生するので注意が必要です。
そのため、前店舗の業態や設備状況を事前に確認し、必要な改装費用を見積もることが大切です。
以上のポイントを総合的に検討し、最適なテナント物件を選定することで、パン屋の開業を成功へと導くことができます。

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まとめ

パン屋の開業には、工事費や店舗物件取得費、備品費など、大きな初期費用が必要になるため、しっかりと計画を立てることが重要です。
居抜き物件を活用することで、初期費用を大幅に削減し、迅速かつ効果的に開業準備を進めることが可能となります。
適切な物件選びと事前の詳細な調査を行うことで、パン屋の成功へと繋がる確実な道が開けるでしょう。


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