工場や倉庫を借りるなら要チェック!公正証書を用いる賃貸借契約の方法
事業用設備として借りる工場または倉庫などは、将来的にトラブルを抱えることにならないように、契約方法や契約内容についてもしっかりと考慮しておきたいもの。
今回は、さまざまな契約に活用できる「公正証書」を用いた賃貸借契約についてご案内していきます。
そもそも公正証書とはなにかわからないという方もぜひ参考にしてみてください。
工場(または倉庫)の賃貸借契約に用いられる公正証書とは?
公正証書は、土地や建物などの不動産の賃借についての契約についてだけではなく、離婚や養育費についての契約、金銭の貸し借りについての契約などにも活用される公文書。
具体的には、公証人法に基づいて法務大臣に任命された公証人が作成した公文書を指します。
公正証書の効力は、賃貸借の期間・賃料・使用目的・契約の解除理由・更新料・権利金など多岐にわたるため、公正証書を作成して契約に用いることで、下記のようなさまざまなメリットが得られます。
●公証役場で作成した原本が保管されるため、万が一のトラブルの際も証明のために使うことができる
●公証人が契約内容を隅々まで確認するため安心して契約が結べる
●もしもの時も裁判や紛争に発展させることなく解決できる
●お互いの事情や事業の背景などを踏まえ、賃料・支払い方法・原状回復についての取り決めなどの細かな契約内容を確認したうえで契約を結ぶことができる
公正証書を用いる工場や倉庫の賃貸借契約に関わる手続きや手数料
一般的な賃貸住宅の契約などで用いられる普通契約とは違い、公正証書を用いる契約では、証拠力や執行力のほか、安全度や信用度などが格段に向上します。
公正証書を作成するには、定められた手続きの手順を踏み準備を進めることとなりますが、事業用設備となる工場または倉庫などを借りる際はメリットの多い方法となるため、ぜひ検討しましょう。
公正証書は法務省に属する機関でもある各地域の公証人役場で作成されるもの。
公正証書の作成手数料は、公証人手数料令によって算定され、作成する公正証書の内容や契約金額によっても手数料が異なってきます。
また、公正証書を用いて賃貸借契約などをおこなう際は、公証人役場に支払う手数料や印紙税などが必要となり、公証人役場に出向いて契約をおこなうこととなります。
本人または代理人による各種書類の提出からはじまり、契約内容の聴取や確認作業を経て、署名捺印の上契約が締結される流れになります。