工場の売却費用は?解体費と土壌浄化費用についても解説

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工場の売却費用は?解体費と土壌浄化費用についても解説

老朽化や事業転換を理由に、工場の売却を検討している方はいらっしゃるのではないでしょうか。
売却を進めるうえで、気になるのはやはり費用面ですが、「どんな費用がどのくらいかかるのか」と不安に感じますよね。
この記事では、工場の売却時に発生する主な費用を、項目別に詳しく解説いたします。
工場の売却を検討しているものの費用面がネックになっている方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。

工場売却でかかる税金などの費用の種類と計算方法

工場売却でかかる税金などの費用の種類と計算方法

工場の売却には、様々な費用が発生しますが、とくに大きな割合を占めるのが税金です。
まずは、工場売却で発生する税金の種類と、その計算方法について解説していきます。

税金の種類と計算方法

工場を売却して利益が出た場合、売主が個人か法人かによって、かかる税金の種類が大きく異なります。
個人が売主なら、譲渡所得に対して所得税と住民税が課税される仕組みです。
この譲渡所得は、売却価格から土地や建物の購入代金、仲介手数料といった費用を差し引いて計算します。
一方、売主が法人の場合は特別な税目はなく、売却益は会社の他の利益とあわせて、法人税などが課されることになります。
くわえて、土地の売却は非課税ですが、建物部分には消費税がかかる点には注意が必要です。
後の手続きをスムーズに進めるためにも、売買契約書で、土地と建物の価格をはっきりと分けておくことが大切です。

節税の基本とポイント

税金の負担額は、工場を所有していた期間によって大きく変わってきます。
個人が売却する場合、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていると、「長期譲渡所得」となり税率が下がります。
具体的に、所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」では税率が39.63%ですが、5年を超えると20.315%まで軽減されるのです。
この税率の違いは、手元に残るお金に直接影響するため、売却の時期は慎重に考えなければなりません。
その他にも、事業用の資産を買い換える際に、一定の条件を満たすことで、税金の支払いを先延ばしにできる特例制度もあります。

税理士に相談するタイミング

工場売却の手続きと税務申告を円滑に進めるには、必要書類をあらかじめ準備しておくことが大切です。
登記済権利証や売買契約書のほか、譲渡所得を正しく計算するための、購入代金や売却費用の領収書も揃えておきましょう。
万が一、購入代金を証明する資料が見つからない場合、売却価格の5%で計算されてしまう場合があります。
この計算方法では、実際の購入費用よりかなり低く見積もられ、結果として税金の負担が増えてしまう可能性が高いでしょう。
このように、税金の計算や特例の適用は複雑なため、税務の専門家である税理士への相談は必須といえます。

工場売却に伴う解体費の有無と相場

工場売却に伴う解体費の有無と相場

前章では、売却でかかる税金について述べましたが、工場ならではの解体費用も気になりますよね。
ここでは、工場売却に伴う解体費の有無や、費用相場について解説いたします。

解体が必要・不要なケース

工場を売却するには、建物を解体して更地で売る方法と、建物ごと売る方法の2つがあります。
建物がかなり古くなっていて、安全とはいえない場合は、解体した方が買い手を見つけやすくなるでしょう。
また、買い手が土地の利用を目的としていて、新しい建物を計画している場合も解体するのが一般的です。
その一方で、買い手が同業者で、今の設備や建物をそのまま使いたいと考えている場合は、解体は不要です。
この方法なら、売主は高額な解体費用を払わずに済み、買い手は初期投資を抑えられるという利点があります。
ただし、建物を残して売却するときは、売った後に欠陥が見つかった場合の「契約不適合責任」に注意しなければなりません。

構造・面積別の費用相場

工場の解体費用は、建物の構造や広さで大きく変わり、一般的には坪単価で計算されます。
構造ごとの費用目安は、木造で坪あたり3万円から5万円、鉄骨造では4万円から7万円ほどです。
また、もっとも頑丈な鉄筋コンクリート造の場合は、坪あたり6万円から10万円以上が相場といわれています。
ただし、建物にアスベストが使われていると、専門的な除去作業が必要になり、費用が大幅に上がってしまいます。
そのほか、重機が入りにくい場所であったり、地中に何か埋まっていたりするなど、追加費用がかかる場合も少なくありません。

解体費を抑えるための方法

売主が支払った解体費用は、譲渡費用として売却の利益から差し引くことが認められています。
そのため、課税対象となる所得額が減り、結果的に所得税などの節税に繋がるでしょう。
また、自治体によっては、古い建物の解体に補助金を出している場合があります。
これは、地域の安全確保などを目的とした制度で、利用できれば解体費用の一部を助成してもらえます。
ただし、工場のような事業用の建物は対象外のことも多いため、あらかじめ役所の担当部署へ確認することが欠かせません。

工場の売却で土壌浄化費用と有害物質リスク

工場の売却で土壌浄化費用と有害物質リスク

ここまで、工場売却にかかる税金と解体費用について解説しましたが、土壌汚染の危険性もおさえておきましょう。
最後に、工場売却時の土壌浄化費用と、有害物質の危険性について解説していきます。

土壌汚染調査の義務と責任

工場の跡地を売却する際は、まず「土壌汚染対策法」という法律の決まりを理解しておく必要があります。
有害物質を使っていた施設をなくす場合など、特定の状況では法律で土壌汚染の調査が義務付けられています。
しかし、法律上の調査義務がない場合でも、売主の責任がなくなるわけではありません。
万が一、売った土地に土壌汚染という「隠れた欠陥」があった場合、「契約不適合責任」を問われる可能性があるのです。
この責任は、売主が汚染の存在を知らなくても発生し、浄化費用が数千万円以上になることも珍しくありません。

浄化プロセス別の費用相場

土壌汚染の調査は、まず過去の土地の使われ方などを調べる「地歴調査」から始まります。
この調査で汚染の疑いがあると、次は土を採取して分析する「概況調査」へ次の段階に進みます。
また、汚染範囲を特定する「詳細調査」まで進むと、調査費用が数百万円以上に膨らむこともあるでしょう。
くわえて、基準値を超える汚染が見つかった場合、浄化費用は調査費用とは比べものにならないほど高額になります。
汚染された土を掘って、新しい土と入れ替える方法がもっとも確実ですが、土の運搬や処分に多額の費用がかかってしまうでしょう。
浄化費用は汚染の規模や方法によって大きく変わり、大規模な場合には数億円に達することも珍しくありません。

買主との交渉ポイント

汚染の可能性を隠したまま売ろうとすると、後で大きな問題になり、かえって損をしてしまう可能性があります。
そのため、万が一汚染が見つかった場合の調査や、浄化の費用をどちらが負担するのか、事前にしっかり話し合っておきましょう。
たとえば、浄化にかかる費用分を売買代金から値引きし、浄化作業は買い手側にお願いするといった方法も考えられます。
どのような方法をとる場合でも、話し合って決めた内容は、必ず売買契約書に特約として詳しく記載しておくことが大切です。
土壌汚染の問題は専門的な知識が必要となるため、早い段階から専門家に相談し、慎重に進めるようにしましょう。

まとめ

工場売却で利益が出た場合、個人の売主には譲渡所得税がかかり、所有期間が5年を超えると税率が大幅に下がるため、売却時期が重要になります。
工場売却では、建物を解体するかどうかで費用が大きく変わり、高額な解体費用は売却益から差し引くことで、税金の負担を軽くすることが可能です。
工場の跡地は土壌汚染のリスクがあり、調査や浄化に数千万円以上の費用がかかる場合もあるため、事前に買主と費用負担について取り決めておくことが大切です。

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